嬉しい近影写真

二年ほどまえに、和服姿のポートレートを撮影させていただいたお客様から、この春、お電話がありました。

「句集を出版しようと準備中で、以前とった写真を使いたいのだけど。で、せっかくの良い写真だから撮影者の名前も載せましょうと編集の方が言うんだけど大丈夫?」

というお電話をいただいてました。

そんな機会は滅多にないし、有り難いことで嬉しく思っていたら、先日出来上がった句集を頂きました!NHK学園から出版された一冊です。最後のページに著者近影の写真!

直ぐにお礼の電話を差し上げたところ、

「句集の顔写真って普通は丸く切り抜いた物を小さく載せるの。だから恥ずかしいって編集の方に言ったんだけど、ぜひこれでいきましょう!て褒めてくれてね。」

生前写真というかたちで撮影させていただいたものですが、その時、

「みんなずいぶんと若い時の写真を使いたがるのよね、、でも今の自分を撮っておきたい。だから髪も染めない白髪のままでね。」

とおっしゃっていて、白髪が似合ってお着物も素敵だし、上品な方だなあ!と思ったのですが、今、句集を見せていただき、人が齢を重ねることを、とても大切なものとされてきたことに気づきます。

電話の向こうで

「今もまだまだ勉強の日々、楽しいわよ!」

そんなふうに、わたしも写真の勉強をして齢をとっていきたい、とおもわせていただいた、写真撮影の後日談となりました。

句集に収められたたくさんの俳句は、その時期時期の身の回りに起こった出来事をつかみとった、いずれもこころ撃たれるものです。

句集の中には、お母様を偲ぶ次のような一句があります。

生きるとは母恋ふること曼珠沙華

句集の題名は『曼珠沙華』といいます。松尾一子様、ありがとうございました。

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